映画『キンキーブーツ』感想。結末に感動したけど……
久しぶりにキンキーブーツを見直しました。
初めて見たときは、けっこうおもしろいなと思ったんですが、いま見返してみると、ちょっとどうなんだろう、という箇所も……。
展開として、ちょっと強引な気がするんですよ。
ただ、面白かった。ぜひ見てほしい! と思います。
あらすじ
主人公のチャーリーが、お父さんから靴工場を引き継ぎます。
でもなんと、その靴工場は借金だらけでした。その工場を売ってもいいけど、主人公はなんとか復活させようとします。
その方法として、ニューハーフの人たち向けのハイヒールを作ります。
隙間市場を狙ったんです。
でも男性の重い体重に耐えるハイヒールの制作は大変……。
ですがその仕事を通して、主人公たちが変わっていき……
感想
つまらないわけじゃないですよ。
むしろ楽しいです。
まず、いいところをあげれば、ちょっとしたセリフにいちいちユーモアが利いているところ。そこがほんと最高です。
主人公とローラの会話は、非常にユーモラスで、ふたりが三十分しゃべりっぱなし、ってシーンがあっても楽しめるんじゃないか、ってほど。
極上のユーモアがちりばめられていて、すごくいいです。
また靴を作っているシーン。
キンキーブーツで最も優れたシーンが、この靴を作ってるシーンじゃないかなってほど。
すごくおしゃれなんですよ。
この靴を作っているシーンを、延々流してても楽しめる、ってくらい素敵です。
素敵な女性の靴って、ただ眺めてるだけで楽しいじゃないですか。
その素敵な靴が、工場のなかで、だんだんと作られていく……、その過程を見られるんです。しかも洒落た音楽をききながら。
この靴づくりのシーンが、ほんと印象に残った。いつまでも見ていたいくらいでした!
ただ、展開の強引さがなあ、と思ったんです。
これはフィクションです。
実話をもとに……といっても、参考にした話があったという程度。
本当にあった話を、ちょっと脚色して映画にした、ってわけじゃないです。
ノンフィクションならまだしも、フィクションなら展開が強引。
まず靴工場が、たしかに隙間市場とはいえ、ニューハーフの人たち用の靴を作って復活するかな? という疑問です。
私は、それで再起可能とは思えないんですよね。借金もあったわけでしょう。
仮にできるにしても、その説得力がたりない。
数字のデータを出せ、とは言いませんが、ちょっとそこが弱かった。
またミラノのショーがゴールなんです。
みんなで、靴を発表するミラノのショーを目指します。
でも、そのショーに出したからといって、靴が売れるわけじゃないでしょ?
そのショーに出て、靴が売れたってところをゴールにすべきだった。
靴のファッションショーに出品! 素敵な靴のファッションショーのシーン! 拍手! 終わり! って展開に、ちょっと不満がありましたね。
でも面白かったんですよね。
不満はあるし、最高とは言えないですが、楽しい映画だったことはまちがいないです。
キャスト
監督はジュリアン・ジャロルドです。
イギリスの監督です。
この『キンキーブーツ』以外の作品では、あまり知られていません、たぶん。
チャーリー・プライスを演じた気弱そうな役者は、ジョエル・エドガートンです。
この人の出てる映画もほとんど見たことがないんですよね。
ローラを演じたのは、ロンドン出身のキウェテル・イジョフォー
1997年にスピルバーグが監督をした『アミスタッド』で映画デビューしました。
ただでさえ役者には詳しくないんですが、この二人のことも全然知りませんでした。
映画の評価は☆4つってところかな。
また見てない方にはぜひ見てほしい映画ですね。