直木賞受賞作『海の見える理髪店』感想
私は好きじゃなかったです。全然好みに合いませんでした。
表題作はよかったですね。面白かったです。
でもこの人の文章が嫌いなんですよ。合わないようです。
ネットで見ると評判はいいんですが、私には読みにくくってしょうがなかった。
またこの短編集って、家族に関するものが多いんです。そこも好きじゃなかったですね。
面白くなかった。
文学的素養がないし、あんまり頭がよくないせいなのかもしれませんが……。その可能性はもちろん高いです。
ただ、途中でちょっと景色が変わりましたね。
この作品を中盤まで読んで、「なにが面白いんだろう?」と思って、ネットで調べたんです。
すると、直木賞受賞作なので、様々な選評が出てきました。それを読むと、絶賛が多いんですよ。
たとえば直木賞の選考委員の、選評を載せているサイトがありました。
そこで宮部みゆきとか、いろんなひとが、すごく褒めてるんですよ。これいいよ! さすが! って。
じゃあ私の読み方が間違ってたのかも……と思い、それからは、と言ってももう後半でしたが、「しっかりと想像しよう」と意識して読んでみました。
そのせいか、「時のない時計」って小説は、ちょっとだけいいなと思いました。
時計屋さんの意地悪な店主が、なかなかいい味を出しているんじゃないでしょうか。
あと大好きなラジオドラマの『悲しみの時計少女』をちょっと思い出しましたね。
でも最後の作品、「成人式」はさっぱり理解できなかった。
これは非常に評価が高くて、表題作よりいい! という意見も多いので、どこか読み方が間違っていたのかもしれないんですが。
ただ自分にはさっぱりわからなかったです。
直木賞の選評を載せているこのサイトでは、宮部みゆきがこの成人式って短編いいよ! みたいなことを言ってます。言ってますが、全然わからなかった……。
文学作品でもそうですが、こういうエンタメ作品でも、わからんものはやっぱりわからんのですよね。
また桐野夏生さんは「いつか来た道」という短編がいちばん好き、と言ってますが、私はこれもさっぱりでした……。
読書を始めて、まだ十年たってないので、もしかしたら、将来読み返してみてわかる日が来るのかもしれません。ただ今回は全然でした。
個人的には門井慶喜の『家康、江戸を建てる』の方が面白かったと思ったんです。
数年後か、もしくは来年かわかりませんが、また表題作の「海の見える理髪店」だけでも読み返してみたいと思います。また「成人式」って短編も。
自分が成長していて、そのとき理解できたらいいな……と思います。