お米を炊くとふっくらする理由は、αデンプンになるから!
ご飯を炊くと、お米がふっくらするのは、私は料理をしないせいもあって、「水を吸うからだろうな」くらいに思ってました。
ふつうそう思いませんか。
水を吸って、あったまるから、ふっくらほかほかになると。
でも全然違ってました。
ちゃんと化学変化が起こってるんです。
ご飯を炊くと、米の酵素が、デンプンの一部を分解し、糖分を作り出します。
さらに、米のデンプン構造も変化しています。
デンプンって何?
まずそもそもデンプンって何? ってなりますよね。
デンプンは、植物が光合成で作り出すものです。太陽エネルギーを、デンプンって形で、イネは貯蔵してるんです。
このデンプン、どんなものかっていうと、砂糖の仲間である、ブドウ糖がたくさん集まったもの。
難しい言い方をすると、ブドウ糖が連結して高分子化したものです。ブドウ糖の結晶、みたいなものですね。
このブドウ糖がたくさん集まったできたデンプンを、植物はたくさん蓄えたいですよね。だから、デンプンの分子を、きれいに整列させて、束にして貯蔵しているんです。
この、保存を考え、きれいに並べられたデンプンを、β‐デンプンといいます。
デンプンの変化
β‐デンプンは、腐りにくくて、保存しやすいです。
でも密な結晶構造だから、硬いし、味気なく、消化もされにくいんです。
でもお米を炊くと、化学変化が起こり、このβ‐デンプンがα‐デンプンに変わります。
β‐デンプンの場合、60度くらいになると、分子と分子をつないでいる結合が緩みます。
そこに水が入り込みます。
さらに熱を加えると、β‐デンプンのつながりがどんどん、どんどん緩みます。
最終的には、デンプンの周りを水が取り囲む、緩いつながりになります。
かたーいつながりはβ‐デンプンと言いますが、このゆるーい集まりは、α‐デンプンといいます。
この変化を、デンプンの糊化とか、デンプンのアルファ化とかいうそうです。
このアルファ化されたデンプンは柔らかくて、水になじむし消化も簡単だそうです。また消化されるとだんだんブドウ糖に変わります。
デンプンの変化、まとめ
生の米の断面を見ると、デンプンの塊がぎっしりですが、炊いた米の断面を見ると、デンプンの構造が変化、スポンジみたいにスカスカになっています。
つまり米を炊飯器で炊くと、ただ水を吸ってあったまるんじゃないんです。
1.米の酵素が、デンプンの一部を分解して、糖分を作っている
2.デンプンがぎっしりだったけど、炊飯することで、スポンジみたいにスカスカになる。
(β‐デンプンが、α‐デンプンに変化)
だから、ふっくらほかほかのご飯になるわけです。
炊飯器メーカー
ですので、炊飯器メーカーは、デンプンをちょうどいい具合にアルファ化するため、日夜頑張っているそうです。
基本的に、中のごはんを、高い火力で均等にアルファ化するすることが肝心なようです。
また圧力を加えて、沸点をあげて、100度以上の高温で炊き上げ、アルファ化を一気に促進しているそうです。
沸点が上がるから、圧力を加える炊飯器がいいってことなんですね。
すごいよ! NHK高校講座化学基礎! 炊飯器のことまでわかっちゃう!
化学になんて全く興味なかったけど、「へえ! 米を炊くってことにも、化学変化が起こってるのか!」ってなって、「化学って面白い!」ってなる!
面白い無料動画サイトはたくさんあって、たとえばTVerやGyao!もそうですが、NHK高校講座もその中に入りますよ!
めちゃめちゃ面白い。
NHK高校講座化学の第1回を参考に執筆しました。
またグリコのたべもの辞典と
福岡伸一さんが解説する
を参考にしました。
いやあ、化学って面白い。